大久保まさかね個展 ─ふらふら カラカラ─
2016年5月9日(月)~5月15日(日) (11:00~18:30 初日は14:00より 最終日は16:00まで)
ご挨拶
[ふらふら カラカラ]
収穫されなかった枝豆が枯れて、風吹くがままふらふら揺れると、実のない殻がカラカラと小さな音を立てる。
思い一筋、1つの画題をあくまで追求する。ケナゲな心根もなく。
見捨てられた枝豆よろしく風のまにまにちょこちょこカジっては、次の風に吹かれてはまた殻だけがカラカラ。
吹かれて行った所で心動かされては、それをスケッチ。
溜まったスケッチが、ベットの暗闇で夢うつつの間にイメージを生む。
生煮えのイメージが突如降って来た。
習慣的な観念を打ち破るインスピレーションを受けて変貌する。
自分では摩訶不思議なインスピレーションと感じるが、ひと様から見れば単なる思い付きに過ぎないんだろうが。
1回のインスピレーションの降臨では常識は打破できず、1枚の画が出来るのに幾たびかの〈インスピレーション=思い付き〉が要って、インスピレーションが途絶えると、その画は放棄の運命となる。
しかしまぁ良くしたもので、放棄した画にいつか自分の中の常識や習慣的感覚などを否定するインスピレーションが降って来るのか?湧いて来るのか?する。
こんな風で、放棄の時間と描く時間との合体で個展の画となりました。
これからはいよいよ放棄の時間が長くなりそうで、死ぬまでにまた個展が開けるかどうか?多分、これが最後でしょう。
2016年4月
大久保 雅攝