板坂 健 彫刻展

ご挨拶

     私はここ数年、山並みと田園風景に囲まれた環境の中で制作できる機会に恵まれました。春の新緑・秋の紅葉、山々の清々しい稜線、湧き出る霧、流れる雲、田に映える眩い朝日、澄み切った真っ青な空、色鮮やかで幻想的な夕日、刻々と変化する素晴らしい光景に包まれた世界でした。
　しかし、豊かな自然を感じる反面、厳しい環境での人の営みがある現実、更に流水・海水・氷河によって侵食され形成された時の流れへの驚異、地殻変動による地震・噴火の巨大なエネルギーの脅威など、自然界の怖さにも思いが向かいました。創造・破壊・再生・希望といった言葉が連想ゲームのように浮かびます。
　今回の作品は上記のようなイメージの重なりによって「歪の中から」として生まれたものです。表現として十分であるか疑問ですが、多くの方々にご高覧願えれば幸いです。

　2018年8月　板坂 健

板坂健先生略歴

1973　金沢美術工芸大学・彫刻専攻 卒業
1991～2002　グループ展(銀座アートホール)
1986・91・2011　個展（銀座）
2014・15　カヌ・ナヤック・アート財団
　　アートキャンプ参加(ムンバイ・インド)
2016　個展（銀座アートホール）