あの頃と・いま━ 星 兼雄展
ごあいさつ
サラリーマン生活の傍ら絵を描き続けて30余年。荒廃した空間に、破壊した人体を配して現代社会の不条理や不安感を幻想的に表現してきましたが、16 回目の今個展ではこれを回顧的に、会場が4室あることを利として部屋別に区分し、前記の幻想絵画ほか、自然美の宝庫”尾瀬”を案内的に描いたもの。中近東 など旅の先々で得た小物による「旅行記」。そして最も発表が盛んだった1980年代、安井賞展連続入選の頃の大作を多数展示します。
こうしてみると、趣味として描いてきたにも関わらず沢山の方に支えられ、時代にも恵まれて勉強が続けられたことを深く感謝して、また次のステップへと繋ぎたいと思っています。
略歴
1938年 新潟県生まれ、神奈川県美術展で準大賞受賞3回、
神奈川県立近代美術館賞(作品買上げ)2回受賞。
安井賞展6回、東京セントラル美術館油絵大賞展、
上野の森美術館大賞展、現代の裸婦展(日動画廊)2回、
浅井忠記念賞展、小磯良平大賞展などに入選。
東京セントラル美術館’86裸婦大賞展で
優秀賞受賞(亀谷美術館作品買上げ)、
ジャパン大賞展で佳作賞受賞。
明日への具象展2回、具象絵画ビエンナーレ、
日本秀作美術展などに選抜出品。
ポストコレクション展、神奈川県美術展25回記念展、裸婦デッサン展、
南京美術館(中国)2010年日本の絵画展などに招待出品。
画集『不安のエロス』、画文集『油彩・尾瀬』出版。
月刊「嵯峨」誌に[尾瀬・四季を描く]連載。
現在、国画会会員、日本美術家連盟会員、NHK学園講師。
会場ご案内
[第1室]尾瀬・魚沼からの景
魚沼市の特使として再度描いた国立公園尾瀬風景画、今回は[魚沼から行く尾瀬ルート]などで15点。
[第2室]刻の景シリーズ
現代社会に内在する不条理や己の不安感を描く動機とした100号~150号の作品7点。
[第3室]旅からの景シリーズ
エジプトやシリアなどで手にした小物たちによる静物画とその地方の風景画など15点。
[第4室]”あの頃”を回顧した作品展示
1980年代後半、安井賞展入選の頃の作品10点。