東京・銀座8丁目 大きな窓から外光が入る明るい展示場をもつ大型画廊

銀座アートホール
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石田光男・恵子2人展

2009年6月8日(月)~6月14日(日)(11:00~18:30 最終日16:00まで)

ご挨拶

 私たち夫婦は大工道具やガラスに魅せられて、長い道を歩いて参りました。2人展は今回で3度目になります。
光男は拓本技法に近いフロッタージュ、恵子は手彫りガラスと分野はそれぞれ異なりますが、根気のいる作業の繰り返しという共通点があります。ご高覧いただきたく、ご案内申し上げます。

「大工道具のフロッタージュ」

石田光男

幼いころ父が大工仕事を始めると、私は飽かず、父の仕事を見ていました。鋸にひかれて床に落ちるおが屑も手に取ってみると、鋸の目立ての違いによって小さな粒の一つ一つが微妙に違う形をしており、おが屑の中に手を差し込むとなんとも言えぬやさしい手触りがして、新鮮な木のいい匂いがしました。

私の幼時の記憶は、すべて“木の匂い”につながっています。徳川時代から建具職として続いてきた私の家は、父の時代には職人や弟子を20人あまり抱えて繁盛し、家族はその2階で暮らしており、木の匂いはそのまま生活の匂いでした。使い込まれた道具はきちんと整理して壁に掛けられ、朝の光を浴びて、ある部分は鈍く、ある部分は鋭く煌いていました。無駄というものをいっさい排除した職人の魂ともいえる道具類に私が魅せられたのも不思議はありません。

早くに亡くなった父の後を継ぐため,長兄は大学をやめて建具職人になりましたが、時代の波の中で、やがて、道具は忘れ去られました。鋸、鉋、金槌、毛引き、墨壷、釘抜き・・・その大工道具に、もう一度命を与えたいと、フロッタージュと呼ばれる「こすり出し」の技法で、原寸大の作品を仕上げるようになりました。

「どうやって描くのですか?」の質問には「紙を切って積層し、紙片の凹凸を例えばトレーシングペーパーや薄紙をあてて擦りだすのです。10円玉に紙をあてクレヨンでその上を擦りだし、浮かんできた絵の遊びと同じです」と答えます。根気のいる仕事ですが、「道具」の美しさは無類です。それも腕のたつ職人に使いこまれた「道具」の見事さに、しばしば私はひきこまれるものを感じます。

私はむしろ記録性の色濃い造形に固執してきました。美しいものを遺していく意味での作品があっても良いと思ったからです。身近であった大工道具を過去のものとせず、現在の姿に戻す気持ちで描きました。

手彫りガラス装飾(Diamond Point Engraving)

石田恵子

透明なガラスの表面にダイヤモンドの粒子を付着させた針で一本ずつ彫っていくヨーロッパの伝統的な手工芸です。この歴史は非常に古く、古代ローマ・ペルシヤで既に使われていたといわれます。

正式には16世紀ベネチュアで創始され、その後オランダに伝わり、主としてオランダ・ドイツ地方で17世紀~18世紀に流行したガラス装飾技法であり、多分に銅版画の技法を取り入れていました。20世紀に入ると使い易いダイヤモンド針の開発により、1980年にはスイス・ドイツを中心に一般の人々のホビーとして大きなブームとなり、専門のモチーフ集も出版されました。日本には1986年に紹介され、主にカルチャー教室を中心に全国に広まりました。

私も四季折々の野の花や庭で育てた花をスケッチし、それをモチーフとして約20年間彫り続けております。ダイヤモンド針で一本ずつ彫っていると、いろいろな線の変化によりモチーフが白の濃淡で浮かび上がってきます。やわらかい花びらはどう表現しようか、この葉脈は…など考えながら彫っていると時間のたつのも忘れてしまいます。鉛筆でデッサンすることと全く同じ要領ですが、唯一の違いは白のバリエーションで仕上がってくることです。手彫りですから、美しい繊細な線で自由に表現することができます。針一本で表現できるモノトーンの輝きは、それは魅力的なものです。

このたび「あかり」(キャンドルスタンド、キャンドルホルダー、オイルランプ)を中心に、テーブルウエアーを約60点ほど出品いたします。テーブルにあかりを一つ置くだけで暖かい雰囲気に包まれます。私は描く楽しみ、彫る楽しみ、そしてそれを使って楽しむことをモットーとして、これからも彫り続けていきたいと思っています。

作品・展覧会の様子

  • 【石田光男作品】
  • 【石田恵子作品】
  • 展覧会の模様
  • 展覧会の模様

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