自分探しの名画カバー展 ─ 憧れ、画心彷徨 ─ 西山利春
ご挨拶
父の影響か。若い頃から雪村、雪舟の墨一色の山水画に魅かれて来た。四半世紀前、茨城の五浦を訪れ、岡倉天心の壮大な思想と使命感に胸を打たれた。 以後、多くの美術館を訪れ、天心の志を継ぐ横山大観の天真さ、安田靫彦の典雅さなどに憧れ、絵を描くようになった。65歳を過ぎた頃、平塚にあるカルチャー教室で、初めて水墨画の手ほどきを受けた。 以来、この数年第一線の日本画家、水墨画家の先生にご指導をいただいている。絵を描いていると、発墨の妙、岩絵の具のもつ結晶の美しさに触れ、新たな出会いのような豊かな心情を感じるようになった。ほんの駆け出しだが、徹底した模写とオリジナル画を描いて三十数点の作品がたまった。 都心で働く、紳士・淑女にちょっと足を留めて、下手だが美しい日本文化の結晶の一端に触れて平和と生命の尊さを感じていただいたら幸いです。
2024年2月 西山利春
略歴
1947年 神奈川県秦野市生 慶應義塾大学商学部卒業 1983年 株式会社リマインド創業 66歳頃、水墨画教室に通いはじめる 72歳から、日本画家 宮下真理子先生の指導をうける 74歳から、水墨画家 大竹卓民先生の指導をうける 2023年 日美展水墨画部門準大賞受賞